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戦後横浜野毛界隈 nogelog

大正生まれが野毛界隈を語る。

MPの親切?

竹さん

 ある日、竹さんは配置巡査部長から、加賀町警察署内にある米軍憲兵司令部勤務を命じられた。任務は、MPジープに同乗して日本人関係事件を処理することだった。拳銃を渡されて直接司令部に出勤し、米軍将校の服装点検を受けたが、拳銃の弾丸を込めていないで、厳しく注意された。「スグ、ウテルヨウニ、シナサイ」、「サキニ、ウタレタラ、ドウシマスカ!」といった調子だ。仕方なしに拳銃に弾丸を込めると、次に、信じられない命令をされた。それは、「MPがパトロールをサボルから、三十分置きに現在地を司令部に報告せよ。」というものだ。つまり、占領軍の憲兵を、占領された国の警察官が監視するという任務なのだ。ところが、この米軍の密命をMPが知ってしまった。それは当時の米兵のなかには、日本人の現地妻のいる者がいた。この女性達から日本語を教わり、日本語のわかるMPが現在地を生麦と報告しているのに、日本警察官が現在地本牧と報告するのを聞かれてしまったわけだ。あわてたMPは、日本警察官抱き込み作戦にでた。おかげで竹さんも、PX(米軍売店)で、当時日本人の口には絶対に入らないケーキ、ココア、コーヒーなどをご馳走になった。そして「オマワリサン、イマ、ナマムギネ」と言われると本牧にいても「OK、現在地生麦」と報告し、和気あいあいに勤務した。
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