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戦後横浜野毛界隈 nogelog

大正生まれが野毛界隈を語る。

遊郭の鉄火場つぶし 

 交番警察官の働きを署長は高く評価し、遊郭の鉄火場の手入れを命じた。 こんどは竹さん達の交番の管轄外だから、見張りの位置や賭博をやっている開張日を自分達で確認しなければならない。指揮者と竹さんは、鉄火場を見下ろすことのできる隣の郵便局の屋上に上り、数日かかって開張日、見張りの位置、周囲の状況などを観察して図面を作り、極秘に作戦を検討した。ちょうど都合よく鉄火場の隣に料亭がある。指揮者は、架空の会社名でその料亭の鉄火場に面した部屋を慰安会の名目で予約をした。開張日は偵察済みである。ただ、念のため、郵便局の屋上で確認して来る者を配置した。そして社長に化けたり、部長に化けたりした奇妙な会社員が料亭に集まった。酒と料理を運ばせたが、料理だけを食べて酒は一滴も飲まず、迷演技?で歌い踊った。開張を見届けた者からの報告があり、静かに一人ずつ料亭の中庭に出た。中庭の竹垣の外は、見張りのうしろの路地で、路地の向かいが目指す鉄火場だ。先行隊が竹垣をソッと引抜き、なんなく見張りのうしろの路地に出て、鉄火場の玄関から静かに中にはいり、旦那衆の居並ぶ盆茣蓙を取り囲んだが、勝負に夢中の連中は声を掛けられるまで気付かず、あっけなく全員逮捕した。旦那衆を逮捕されたその鉄火場もつぶれてしまった。
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