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戦後横浜野毛界隈 nogelog

大正生まれが野毛界隈を語る。

恐縮で始まり謝罪で終わる職務質問

竹さん

 交番勤務は、「立番、巡回、休憩」の繰り返しが基本だ。その目的は、管内住民の安全を図ることだから犯罪人の検挙が第一の要件となる。だが、その手段である職務質問は、「見えないものを見る」神業的技術が必要なのだ。職務質問ほど『正義感と、やる気』を要求される仕事はない。それは、法律で許される職務質問の要件が現行犯に近い外見がなければできないからだ。道路を通行する多くの人びとを質問し、その中から一つまみの犯罪人を発見するのだから、結局は、多くの善良な人びとをも交えた無差別質問となる。だから「失礼ですが」と声をかけ、所持品等を見せてもらう。当然、善良な人の方が多い。そのたびに「失礼しました。」と深ぶかと頭をさげる。職務質問は、一日に何回も謝罪するので、謝罪の連続とも言える。ある魚屋さんは、朝早く市場に買い出しに行く、その都度、竹さんに質問され、「いいかげんに顔を覚えてくれよ」とわが子を諭すように懇願した。竹さんは「普通なら怒られるところだ。」と反省し、その温顔に感謝した。竹さんの職務質問は、所持品に重点をおき、その者の顔を見なかったのだ。それからの竹さんは、顔を見て職務質問をするようになった。ノロマの竹さんは、こんな人達に支えられて警察官生活を始めたのだ。
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