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戦後横浜野毛界隈 nogelog

大正生まれが野毛界隈を語る。

 [竹さん]功労者転じて間抜け野郎

 交番に勤務して一週間程すぎたころ、伊勢佐木町三丁目の質屋に二人組の強盗が押し込み、現金二万円を奪って逃げた事件がおこった。独身寮にいた竹さんたちは、すぐ呼び出された。署長は細かい指示をして張込み場所に竹さんたちを配置した。桜木町駅に配置された竹さんは、電車から降りてきて、すぐ切符を買い改札口に入ろうとする男をみつけ、おかしいと思い交番に連れ込んだ。男は一万円持っていた。竹さんは、被害額が二万円だから二人で山分けすると一万円になるので、犯人かも知れないと思いネバリにネバッテ質問した。見ていた同僚はみんな竹さんが相棒の一人を捕まえたと思ったらしい。だが、竹さんは当時の新語?「人権蹂躙」がフト頭に浮かんでしまっていた。「たまたま一万円持つていたかも知れない。」と善意?に決断し、「失礼しました。」と言って帰したとき、刑事が二人飛び込んできて「ホシはどこだ!」と言った。竹さんが「いま帰しました。」と言ったところ、血相変えてホームに飛んで行ったが間に合わず、電車は出た後だった。手配の結果、上野駅前交番で捕まった。だが、上野署の犯人の調書に「桜木町駅前で捕まって、しつこく質問されたので、観念して白状しようとしたら、なぜか帰された。」とあったため、署長は「間抜け野郎」とカンカンになり、竹さんは悔しいタメ息をついた。
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