戦後横浜野毛界隈 nogelog

大正生まれが野毛界隈を語る。

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ちぐさのおやじ(伊奈正人 2004年10月31日執筆)

国際ジャズ名誉の殿堂入りをしたってことで、昨日秋吉敏子がNHKに出ていた。今はさほどジャズに関心があるわけでもない、秋吉の名前を思い出したのは、マンデイ満ちるのCDを始めて買ったとき以来かもしれない。水俣などを作品化したってことで、感心し…

黄金町マリア(伊奈正人 2007年1月14日執筆)

横浜に帰省。野毛通りから桜木町寄りまでは、勤め人を集めてにぎわっている。居酒屋、焼鳥屋、中華などの隠れた名店がある。野毛通りから自宅寄りになるとグッと寂れている。しかし、競馬のある日はにぎわっている。最近は携帯で馬券を買う人が増えたとかで…

平岡正明『野毛的』とまちの敬老イベント(伊奈正人 2004年9月20日執筆)

横浜野毛について、けっこう注目されているのだなと思ったのは、平岡正明『野毛的--横浜文芸復興』(解放出版社)を手にとった時である。ネット書店ビーケーワンの紹介文。「大道芸と、美空ひばりと、サンバと刺青と娼婦とジャズの街。ヨコハマの混血文化…

マイリトルタウン――野毛下町考(伊奈正人2004年)

柴門ふみの初期作品に「マイリトルタウン」というのがある。S&Gを同時代で聴いた著者らしく、コンセプトはまさにS&Gで、歌詞を引用させてくれというお願いをしたけど、サイモンはダメポだと言い、しかたなく翻案して作品化している。『愛して姫子さん…

遊郭の鉄火場つぶし 

交番警察官の働きを署長は高く評価し、遊郭の鉄火場の手入れを命じた。 こんどは竹さん達の交番の管轄外だから、見張りの位置や賭博をやっている開張日を自分達で確認しなければならない。指揮者と竹さんは、鉄火場を見下ろすことのできる隣の郵便局の屋上に…

闇市の鉄火場つぶし 

署長は、闇市の鉄火場の手入れを命じた。その鉄火場は、人足相手の屋台店がひしめく、人足寄せ場のような町にあったので、客は人足ばかりだった。見張りは表と裏にいた。指揮者の巡査部長は、この手入れの要員に柔道選手を選抜した。集合は隣接署の空交番だ…

鉄火場の防御体勢

鉄火場の手入れをはじめて体験した竹さんは、鉄火場の防御体勢に驚いた。表の入口は三段階に固め、それぞれ見張りが置かれているのだ。裏側は猫でも登り降りできそうもない険しい崖であり、更に有刺鉄線を張り巡らせて、何人の出入りも許さない体勢だ。外側…

崖下の鉄火場つぶし

竹さんは、交番の管内にある鉄火場と言われていた博打場二つを交番だけで行った手入れに参加した。指揮者は方面担当の巡査部長だ。明日の午後四時に隣接署の空き交番に、完璧な変装をして集合するように指示された。翌日の指定時間になると、隣接署の空き交…

美女の死体は生きていた

クリスマスの早朝、「伊勢山皇大神宮の裏参道で若い女が死んでいる」と届出があった。管轄違いだが、死んでいるというのでは一大事だ。竹さんは、本署に報告して同僚四人と現場に駆けつけたところ、皇大神宮の裏参道の階段に真っ白いドレスを着た美女が両足…