戦後横浜野毛界隈 nogelog

大正生まれが野毛界隈を語る。

2014-08-28から1日間の記事一覧

凶器の隠し場所

昔のパンツは紐がついており、前で結ぶようになっていた。ある夏の日「屋台でチンピラが暴れている。」と交番に駆け込まれた。竹さんが駆け付けたところ、屋台の中で怒鳴り声が聞こえた。竹さんが「静かにしろ!」と一喝すると、「なにィ、ポリ公」と言いな…

棚ぼた

竹さんが、巡回中に立ち寄った桜木町交番から出たとき、錦橋の上で若者が酔っ払いを殴り倒し、上着のポケットを探り始めた。酔っ払いは泥棒、泥棒とわめいている。竹さんは、スッと近付き若者の手を掴んだ。若者は必死で竹さんの手を振り払い、盗んだ紙幣を…

とんまなてがら

竹さん達は泥棒を捕まえるのに夢中だった。このころの竹さんは、出勤前に朝早く自主警らをしていた。ある早朝、いつものように出勤前の警らをしていると、一人の男が古着屋の前で立ち止まった。竹さんは、何かすると直感してゴミ箱の陰に隠れて見ていると、…

大泥棒の悪知恵に学ぶ

悪い奴は大胆で頭もいい。あるとき、竹さんは本署から「大山一郎(仮名)という大泥棒が風太郎の中にいるから、見つけて連れてこい。」と命令された。その男は盗んだ品物を当時の国鉄チッキで桜木町駅に送り、その引換証を売っているとのことだ。手ぶらで歩…